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zoom RSS 大河ドラマ『江 〜姫たちの戦国〜』まとめ感想

<<   作成日時 : 2011/12/16 20:30   >>

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こんばんは。間があいてしまいましたが、今年の大河ドラマ『江 〜姫たちの戦国〜』の全体的な感想です。実際には途中見ていない話があるのですが、数話抜けたところで今の自分の感想に変化があるとも思えませんので、見ないままですが全体の感想を書くことにします。
はっきりいって愚痴しかありませんが、もしよろしかったらお付き合いください。

今年の大河ドラマについて一言言うならこんな感じです。
「最悪。がっかり」
せっかくお江さんが大河ドラマで主人公になったというのに、こんな出来なんてあんまりよ。そんな気分ですね。10年後か20年後くらいに浅井三姉妹でやり直してほしいくらいです。
始まる前までは、江が主人公のドラマとして最悪なのは俗説しか使われないことだと思っていましたが、それより下というのがあったんですねぇ。まさか歴史ドラマとして以前に「長編ドラマとしてなってない」代物を見せられるとは思ってませんでした。せめて長編の人間ドラマとしてまともなら、お江さんがひどく描かれようと、多少時代考証がおかしくても、ありだと思ってましたが、それすら達成できてなかったですね、このドラマ。恋愛ものとしてもダメ、大奥ものとしてもダメ、脚本的ないいところは個人的にはほとんどなかったように思います。よかったところは、俳優さんのがんばりに涙したというものばかりでした。セリフは脳内変換必須でしたからね。

キャラぶれがひどいとか、ただの説明セリフが多いとか、悪い点はたくさんありますが、私が特に気になったのは、それぞれの場面・エピソードにつながりがなかったことです。
例えば本能寺の変のあとに江が明智光秀と対面した場面がありましたが、それがその後の江にどういう変化をもたらしたか、あるいはその出会いによってその後のストーリーになにが反映されたか、それを伝える場面がまったくなかったですよね。福の初対面のとき以外なにもなかったわけで。
これだけじゃなくて一事が万事そういう感じで、すべての場面がぶつ切れでした。どの場面も、その場その場の反応だけが描かれて、そういう行動心情になったのはなぜかということや、そのあとどういう心情や行動の変化があったかということを伝える力がとぼしかったように思います。あまりにも細切れのストーリーで、とてもじゃないですが「大河ドラマ」とは思えませんでした。なんのために一年かけたんだろうという感じです。
この脚本家は、ただのシチュエーション萌えだけでドラマを描いてるのかしら、と思いました。このシチュエーションではこういうキャラにこんなことを言わせたい、ただそれだけで場面ごとの個々のキャラの会話を描くことしか念頭にない感じで。前の場面と後の場面で、同じ登場人物に一貫性をもたせる意識がほとんどないような印象をうけました。
たしかこの脚本家の言葉で「途中から見ても面白いと思える話を書く」と言っていたような記憶がありましたが、前後のつながりを無視してその場限りの話を書くという意味だったんでしょうか。前の話を知らなくても面白いというのはそういうことだったのかと思うと呆れてしまいます。ほんとうの意味で「途中から見ても面白い」というのは、途中からでも、前に起きたことや登場人物の心情の変遷など見ていない場面が連想できて、先の話が気になるってことなんじゃないかと思いますけどね。

私が思うに、この脚本家は長編プロットがうまく組み立てられないんだと思います。
前作の『篤姫』が面白かったのは、宮尾登美子さんの原作があったからでしょう。宮尾さんが原作という形で物語の基礎となるプロットを作ってくれていたから、脚本家はそれを自分流にアレンジするだけでよかったわけです。面白い言葉のキャッチボールを作る能力はあるのでしょう。
でも今回はオリジナルということで全部一から自分で作ることになると、プロットを自分で組み立てなければなりません。その辺りが苦手なんでしょうね。
この脚本家の書いた原作も歴史ものとしてはどうかという代物でしたが、今思うと変なエピソードがドラマよりは少なかった分まだ読めたような気がします。それに大雑把なダイジェスト的なものと思えばこそ許せたところもありましたし。ドラマではもっとよくなるのだろうと思ってたのですが。結果的には余計なエピソードが入った分改善というより改悪になりました。原作の話の筋を生かす追加エピソードではなく、むしろ壊すものだったように思います。そういうところが、この脚本家はプロット作りが苦手なんだろうという印象になってます。
キャラの性格設定のぶれが起きるのも、事前のプロットがしっかりしてないからでしょう。キャラが変わるというのは長編物がぐだぐだになるときのお約束ですが、しっかりした筋がないと、キャラの性格が作者にとって好きなほうに都合のいいほうに変わってしまうからなんだろうと思います。性格が変われば行動も変わってしまいますから話の筋も変わってしまい、話のテーマも混乱してしまいます。悪循環ですね。
結局、脚本家の感覚だけで物語を作ったからこんなドラマになっちゃったんだろうと思います。

大河ドラマのまとめ感想でこんな、歴史ドラマとして以前の、長編ドラマに対するあげつらいを書くのは大変残念です。こんな感想書きたくなかったですけどね。

そういえばこの脚本家は歴史を知らないことを公言していて、歴史知識がなくても人間ドラマは書けるみたいなこと言ってました。私はそれを知って、ほんとにできるのかしら、お手並み拝見と思ってましたが、案の定悲惨な結果に終わってしまいましたね。歴史ドラマ制作を舐めていたむくいというものでしょう。
歴史を知る・調べるっていうのは単に過去に起きた出来事を知るだけじゃないです。出来事・現象から当時の人の思想や行動原理を知ることでもあります。行動原理を知らなかったら人間ドラマなんて書けるわけないじゃないですか。行動原理が違えば実際の行動も違ってくるんですから。
歴史を知らないということは、そういう行動原理の違いも知らないということです。それを知るためにも歴史知識を持たないといけないのですが、そういう知識を入れることを怠っていたら、いい歴史ドラマなんて書けないと思います。あの脚本家には、心を入れ替えるでもない限り、二度と歴史ドラマを書いてほしくないと思います。

だいぶ長くなってしまいましたが、江ファンとしてあと2点。

まずはツイッターとかで見かけましたが、浅井江は大河ドラマには不向きだったという意見。これは全力で否定したいですね。
難しい、だったら支持しますけど。江は何かしらを成し遂げた人ではないので、能動的に動いた人物を話にするよりは、難易度高いと思います。
でも大河ドラマにできないってことはないと思います。というかどんな人物を扱っても創意工夫さえあれば面白い物語は書けるはずです。
お江物語だって面白いものはあるわけですし。『美女いくさ』ではそこそこ能動的に動く女性になってましたが、『乱紋』みたいになにもしてないのに無駄な存在感、という話もありますしね。だから工夫して作ろうとすれば面白い大河ドラマにはなったはずです。
でも、今年の脚本家にとっては不向きだったんでしょうね。オリジナル長編を作るのが苦手で昔の価値観・行動原理を知ろうとしない(と思われる)人には無理だったのでしょう。
江を主人公に選んだことを、今回の失敗の言い訳にされるのはなんとも悔しいので書いてしまいました。

あともう一つ。我が家の女子高生が以前こんなことを言ってました。「なんで今、江なの? このドラマ見てても、そこが全然わからない」
女子高生にこんなことを言われるプロのドラマ制作者はなんとも情けないです。私は今江を取り上げる意味はあるにはあるけれど、制作者が無能で表現できていないと答えておきましたが。
今取り上げるべき人物かどうかは私には断言できないです。決して偉人といわれるほどの何かを成し遂げた人ではありませんから。ですが今に生きる人々にどのように江の生涯を伝えるか、それこそが今、浅井江を取り上げる意味であるはずです。
波乱万丈の前半生に栄耀栄華につつまれた後半生、その裏では悲喜こもごもの人間ドラマがあったでしょう。自分の力で道を切り開いた人ではないですが、置かれた立場に応じてやるべきことを地道に果たし、最終的に天下を制した家の女主人としての責務をまっとうしたはずです。そして表の世界では対立していても、最後まで切れなかった三姉妹の絆の物語もあります。俗説である偏愛・嫉妬深い話にしても書き方によっては共感できる物語にすることも可能です。
表向きは派手だけれど、どちらかというと受動的な女性の半生をどのように伝えるかでドラマ制作者の主張が見えてくるはずですが、今回のドラマでは、そういう伝えたいテーマはほとんど見えなかったですね。浅薄な平和への望みは伝わりましたが、それ以外は特に何も。あとはなんでしょう、思い通りにならない世の中は大変だな、とか? 私が共感できる強い主張はなかったですね。おそらく制作者たち自身も、今なぜ江を取り上げるのかなんとなくわかってなかったのでしょうね。特に脚本家は。
私だったら江の物語をどう書きたいかはここでは言いません。自分の思ったとおりのドラマにならなかったから気に食わない、という話にはしたくないので。
今、浅井江を取り上げる説得力のある理由を伝えることもできずに、漫然と戦国時代もどきのドラマが作られてしまったことが、とても残念でなりません。いろいろな見せ方があったと思うのに。私はなんでもいいから、お江さんが主人公の面白いドラマが見たかったのに。とっても残念です。

まあ、ある意味反面教師としては最大級の価値があるドラマともいえるでしょう。私も勉強になりました。そういう意味ではNHKに感謝しています。

以上です。なんだか変な感想ですね。でも結局こんな感じになってしまいました。
あとは12〜18話の感想ですね。必ず書くとは言えませんが、もし書けたらまたよろしくお願いします。

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コメント(6件)

内 容 ニックネーム/日時
こんばんは。秋草です。

私はまだ大河ドラマをまだ七作品ほどしか見たことがありませんが、今年の「江」は一番の駄作になってしまうようなものだったと思います。
あまのかるもさんが仰るとおり、それぞれのエピソードに連がりをほとんどかんじられませんでしたし、描写の不自然なことも同感です。
第34話を見た時にも思ったのですが、結局、江はどのように生きたかったのでしょうか。江は信長から「己が思うよう存分に生きよ。」と言われていたのに、結局終わりまでどのように生きたいか、話していませんでした。だから、江が秀吉に嫁げ、と言われる度に怒ってましたが、その理由がわからないんですよね。じゃあ、どうしたいの、と聞きたくたなってしまうような描写が多いため、江が「わがまま」に見えてしまい、すごく幻滅しました。
今年の「江」はあちこちで色々言われたますが、やはり大阪の陣での秀忠の無茶苦茶な行動がかなり批判されていますね。私はこのあたりをしっかり見てたわけじゃないんですが、誰が主役なのかわかんない、という印象でした。
「江」は史実とあまりに違うという点でかなり批判があり、私もそう思います。NHK関係者は「ドラマですから」と言って苦笑して済ませてますが、ドラマだからと言って史実をめちゃくちゃにしていいというわけでもないと思うし、「江」はそれをやり過ぎてしまった作品だと思います。(まあ、大河の女優さんが老けないというのはお決まりのような気がしますが・・・。)
良かったと思うのは、宮沢りえさんです。さすが時代劇に慣れていらっしゃるというか、自刃の時の不自然なところも気にさせなくなるような演技に感服しました。また浅井三姉妹が取り上げられる機会があったら、もう一度(今度はちゃんとした脚本家さんがついて)淀殿を演じてもらいたいです。(もう二度とないかもしれませんが。)
秋草
2011/12/17 23:26
秋草さま

こんにちは。
私もそんなに大河ドラマを見てはいないのですが、私にとっても『江』は一番の駄作ですね。歴史ドラマとして以前に長編ドラマとしてなってなかったと思ってますから。
江がどのように生きたかったのか、ドラマの中ではまったく表現されてなかったですよね。お題目だけ言わせておしまいという感じでしたし、描写されていても脚本家の価値観が全面に出ているので共感できませんでした。ただのわがまま女にしか見えなかったのは私も同じです。
大坂の陣のときの秀忠については、ありえない行動をさせられたあげく、肝心の部分の描写は抜かされたという印象です。また江が主人公のドラマで、秀忠と茶々に焦点を当てることしかできないということに、制作側の想像力の限界を感じました。
史実と違うという批判に対しては、たぶんNHK的にはほんとうのことは言えないんじゃないでしょうか(笑)。ほんとうの問題点はわかっていると思いたいですけどね。ドラマに必要な嘘をつくことと、勝手にお話をつくることは違うとわかっていてほしいですよね。
宮沢さんは良かったですよね。これからも大河ドラマで見たい人です。まともな脚本でもう一度茶々役をやってほしいと私も思います。
あまのかるも
2011/12/18 11:46
 はじめまして。
 おごうさんは昔から好きな人で
わたしにとってはイメージ的には淀殿日記に出てくるおごうさんが
一番近いです。前半は少年のようでひょうひょうとしていて
後半は冷たい感じになっていますが前半部分は好きです。

 女の人からみると女性の最高といっていい地位までのぼりつめ
夫との間もそれなりの愛情もあって、また夫という人が
尊敬できる人だという彼女に魅力を感じる人は多いと思います。

 ハリウッドの監督とか韓国ドラマの監督にぜひ今度は作ってもらいたい
ものですね。

 気長にまつことにしたいと思います。



 
ルーシー
2012/01/29 22:05
ルーシーさま

こちらこそはじめまして。コメントありがとうございます。今週は多忙につきレスが遅くなり申し訳ありませんでした。
淀どの日記のおごうさん、私も前半部分は好きですね。私は乱紋のイメージが出発点なので、それと近いけどもう少し感情が見えているところがいいと思います。後半は痛々しくて見てられない感じがしますが。
おごうほどの地位にのぼりつめた女性はあまりいないですからね。順調ではなかった前半生も含めて、興味深い人生の持ち主だと思います。
私としては、おごうについて面白い物語を作ってくれるなら誰でもいいです。贅沢は言わないです。それまで私も気長に待つことにします。
あまのかるも
2012/02/04 22:18
はじめてコメントさせて頂きます、自称歴史好きの凡人です。
本放送から随分遅れてのコメントで大変恐縮ですが
ドラマへの感想は完全に同意で、頷きながら読ませて頂きました。

江はとても興味深い女性の1人で、大好きです。
淀殿に比べると地味という方もおられますがそうとは思えません。

二代将軍御台所にして三代将軍生母であり、明正天皇の外祖母であり
九条家に嫁いだ完子を通じて現皇室にもその血を残しています。

織田・豊臣・徳川の全血統を現代まで繋いだ女性。
そう考えれば地味どころか相当な重要人物だと個人的には思っています。

大河の主役に決定した時は嬉しかったものですが…本当にガッカリしました。

脚本もですが「かつら」が酷く貧相なのも本当に残念でした。
戦国当時の女性の髪の価値を考えればあのかつらではちょっと。

女性主人公であればビジュアル面に力を入れればまだ見られますが
目で楽しませてくれる事も無いという何の意義も無いドラマでしたね。

名族浅井家の姫として・織田信長の姪として、
誇り高く上品で美しい香り立つような姫に仕上げて欲しかったものです。
他の脚本家でやり直して欲しいと強く希望したいところです。

宮沢りえさんは、先の方も書いておられますが良かったですね。

大竹しのぶさんも良かったと思います。
北政所として・女性としての諸々の葛藤を目で演じられてたように思います。

大河ドラマには頑張って欲しいので、今後改善して頂きたいですね。
COLU
2015/05/30 16:02
COLU様

こちらこそはじめまして。コメントありがとうございます。あの頃は好き勝手な感想を書いてましたが、そのように言っていただけると嬉しいです。
だいぶ前に終わったドラマなので、内容にがっかりした記憶は残ってますが、文句は過去に言い尽くしましたし、ある種のお祭り騒ぎとしては楽しかったなと、今では思ってます。(改めて見たらまた不満一杯になるとは思いますが)
お江さんの物語としては、いつかまた違う形で良いものができたらと願っています。
大河ドラマに関しては、批判も多いだろうけどNHKの人たちはめげずにがんばって良いドラマを作ってほしいです。
あまのかるも
2015/05/31 10:40

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