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zoom RSS 大河ドラマ『江』について、途中のまとめ感想

<<   作成日時 : 2011/10/02 13:29   >>

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関ヶ原も終わったので、途中ではありますが一旦今年の大河ドラマについて総括しておこうと思います。とりあえず、私の今の気持ちを残しておこうかなという、そんな気分です。

今年の大河ドラマについてどう思っているか、毎回の感想を読んでいればおわかりになるかと思いますが、とってもがっかりしております。
ドラマとしての出来がよろしくないということもそうですが、私と脚本家との価値観が違うので狙いはわかるがそれにまったく共感できないということと、私の中で浅井江の物語として成り立ってないということが大きな理由です。
ある意味第6回がすべてですかね。このドラマを見限ったのが第6回の『光秀の天下』です。そのときの正直な気持ちを書いてしまいますと「だめだ、この脚本家。私、こいつについていけない」ですね。
世間的には第5回の、信長と江の幻場面&江と信長の幽霊場面なんでしょうけど、あれは私には笑い話レベルです。私にとっての第5回の問題点は「江にとって本能寺の変は何なのか、実はそのことが描かれていない」でしたし。

第6回を通じて私が感じたことは以下の二点です。
(1)私が考える良い行動・悪い行動と、脚本家の考える良い行動・悪い行動がかなり違ってる。
(2)脚本家は、戦国〜江戸初期を生きた浅井江という人物を描く気がない。

(1)については、私が一番衝撃的だったのは江が伊勢の城で捕まる場面ですかね。江が盗賊の前に飛び出たときは、ほんとにびっくりしました。「お前なにやってるんかい!」と江にツッコミ入れまくってました。前々からこのドラマの江の行動にはもやもやしていたのですが、私的にはこれが一番だめでしたね。戦国時代の価値観云々以前の問題っていうのが、ほんとだめでした。
(2)については、江が捕まったあとの光秀との会話が、江の物語を見たかった私にとって、何の意味もなかったことですね。光秀が胸のうちを語る相手が江である必然性はまったくなかったです。そして江が光秀の思いを知っても物語になんの影響もありませんでした。江が主人公なのに、江が登場しても実質江の物語に関係ないエピソードだったわけです。結果、ある出来事が江の人生にどういう影響を与えたかを語ってくれない物語だったんです。このドラマは、いったい何を語りたいんだろうと感じたものです。

この場面を見たあとで思い当たることがありました。
昔話で恐縮ですが、子供の頃、歴史小説や推理小説を読んだ後、その小説を読み返すときによく妄想していました。どういう妄想かといいますと、私が主人公や探偵役の身近な架空人物になって、彼らの行動にくっついて行動したり、助けてあげたり、彼らの気持ちをわかってあげたりと、話の筋に合わせて補助的な活躍をするという妄想ですね。既にある物語に追加している妄想なんで、架空キャラ自体はささいなおまけみたいな事しかできません。しかし既に読み終わってる小説なので、小説内で起きる出来事は全部わかった上での妄想です。小説内では万能のキャラですね。

このドラマの江は、まさに昔自分が小説読みながら作った妄想キャラじゃないだろうか。
戦国時代の三傑(信長・秀吉・家康)が登場する物語の中で、脚本家自身が万能感あふれるおまけキャラになって、いろいろな出来事に首を突っ込み、そのつど意見を言っていく、そういう役割を、江という人物に割り振ってお話を描いているんじゃなかろうか。

そう感じた瞬間、私はがっくりきました。主人公が、脚本家のなりきってるおまけキャラだったら、そんなの興味持てないですよ。私は浅井江の物語が見たかったわけで、脚本家のなりきりキャラが主人公の物語なんか見たくないです。

それでがっくりきて、次の第7回も不快だったので感想を書く気力が萎えてやめてしまいました。さらにドラマの視聴もやめていた時期もありましたが、なんだかんだで復活しました。私事が落ち着いたこともありますが、せっかく江が主人公なんだし変なのでも見ようかなと思い直したからですね。
まあ、それでも熱は冷めましたね、確実に。第6回で感じた「脚本家のなりきりキャラが主人公の物語」という私の印象は基本的には変わってません。
それは思い込みで実際は違うよと思う向きもあるかもしれませんが。
今回の大河は、浅井江が主人公の物語のようで実はそうではないと今でも思っています。

だから今回の大河ドラマは私にとって、江が悪女として描かれる物語よりも、だめな物語なんです。私のイメージとは違っていても歴史物語の登場人物としてちゃんと描かれていれば、作者のなりきりおまけキャラよりははるかにましです。私は杉本苑子さんの『月宮の人』は好きですから。あのドSキャラなお江さん、俗説ベースの江だということを除けば好きですもん。怖いですけどねぇ。

作者のなりきりおまけキャラを主人公にする物語もあるにはあります。でもその場合は主人公はあくまでも狂言回しで、主人公が接する登場人物がきちんと魅力的に描けていないと意味ないです。また主人公自体も物語の登場人物として一貫したキャラになっていないと説得力ありません。
でも今回の大河ドラマは、江の周辺人物にしても、通説を脚本家風にくっつけてこしらえただけの、新鮮味うすい面白くないキャラ設定ばかりです。
そして江については、何か起こると文句を言い、大事な場面ではもっともらしいことを言いますが、それ以外は史実の江に起きた出来事以外なにもしません。脚本家の意見を代弁するときと、史実の江に起きた出来事以外での存在感は薄いです。場面ごとの対応はそれらしく描けていても、物語内で一貫した一人の血肉の通った人物とは言いがたく、話の筋にあわせて影響受けたり変化したり成長したりはしてません。
何か起きたときのリアクションだけは、途中まで変わってませんでしたね。最近はリアクションにも変化がありますが。

このドラマは歴史ドラマとしては、全体的にとても素人くさい作りの物語に見えます。
原作を読んだときはラノベみたいだなと(ライトノベルの作家の方には失礼な感想ですが)思いましたが、ドラマになったらもう少しちゃんとした話になるのだろうと思ってました。
ですがいざ蓋をあけてみたら原作よりもひどかったですね。あるいは文章だと飛ばしてしまうところを映像で見せつけられてしまったからかもしれません。そして原作にない場面は改善というよりは改悪という印象のものが多いです。

ちなみに、関ヶ原後に秀忠の遅参を聞いて江が笑った場面、原作はとても不快な場面でした。原作を読んだとき、ここは絶対変えてほしいと思った場面の一つです。残念ながら原作どおりでしたが、でもドラマは原作よりはましでしたよ。原作はドラマの印象にプラスして、秀忠に対して超上から目線で小莫迦にした感じでしたから。
ここが原作と同じぐらい不快か、もっとひどかったら視聴をやめようと最初から思ってましたが、かろうじてましだったので、これからも一応見ます。
とはいえ葬送の列を見送っているような思いですけどね。ここまで見たから一応最後まで見届けないとねって気分です。

長々書きましたがまとめると、戦国時代を生きた一人の女性の物語として今回の大河ドラマを評価しないということです。歴史に興味のない脚本家が、歴史上の人物に仮託して自分勝手に戦国時代について語りたい物語なんか面白くないってことです。それに尽きますね。

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今から思えば、初めから不安ではあったんですよね。後出しじゃんけんのように聞こえるとは思いますが。
大河の発表があったとき、プロデューサーの言葉と脚本家の言葉から受ける、物語と江の設定の印象が違うなと思ってはいたんですけど。それを確認しようかとさっきHPを見に行ったら…見つけられないですね。その当時の企画意図のままの文章が。どこかにあるかもしれないですけど。
でも記憶では、江のことを「水のような女性」云々と評していた文言が、プロデューサーの言葉にはたしかにありました。これを見て私は『乱紋』の江のキャラを連想しましたが、実際のドラマは「水のような女性」どころか"戦国時代の田渕久美子"ってあんまりじゃないですか。ねぇ。
物語が始まった当初は、水といってもたぎつ瀬のように激しかったので、いつか湖や大河になるんかなと思ってましたが…。リアクションは多少おとなしくなりつつありますが、私が連想したようなキャラにはならないですね。もちろん今更期待はしてません。

あとは上野樹里さんについて。このドラマの江のような、気性の激しいキャラには合ってないように思います。この脚本家はあて書きをするタイプと聞いてましたが。もっとかわいいキャラのほうが上野さんには合っているような気がします。
私が江の設定として当初予想していたのは、おっとりしている感じでした。だから上野さんが演じるなら、おっとりキャラで少し不思議ちゃんな感じがいいと思ってました。それこそ『のだめカンタービレ』の、のだめをもう少しおとなしくした感じだったんですけどね。
ですがドラマの江は全然違ってました。このキャラなら別の女優さんのほうが良かったように思います。俳優さんに詳しくない&想像力が貧弱なので具体的に誰とは言えないのですが。
まあ、上野さんにとっては最悪であろう今回の脚本ですが、めげずに頑張ってほしいです。といってもこないだスタジオ収録は終了したようですが。
前も書いたような気がしますが、まともな時代劇に出る機会が上野さんに巡ってくることを心の底から願っております。

それから時々見かけるのが、今回の大河は大坂の陣のあと3話しかないということについての意見です。跡継ぎ問題があるんだからもっと話数がないとおかしいというのですが。
俗説ベースでも、跡継ぎ問題は家康が決めたらそれで解決という小説のほうが多いような気がします。家康は大坂の陣の翌年に亡くなりますから、大坂の陣で江の物語がほぼ終わっても問題ないと思います。特に江主人公の小説でメジャーなものは、どれもほぼ大坂の陣で終わりです。そのあとも春日局とのバトルで引っ張る小説もありますけどね。
たぶん本人の話というより子供達の話になるので書きようがないんでしょう。だから大坂の陣がクライマックスで後の配分が少なくても、江の物語としてはそんな間違ってないと思います。
ただ私としては俗説の跡継ぎ問題よりは和子入内のほうが見たかったですね。あるいは家光の花嫁探しでもいいですよ。それなら本人の話ですし、真面目に見たいです(笑)

以上です。まだ終わってませんけど、たぶん終わりを待たなくてもそんなに変わりばえはしないでしょう。最終回だけ出来がいい可能性もなきにしもあらずですが、期待薄ですね。

以下は独り言です。恥ずかしいんですけど、言わずにはいられない気分なので。

結局自分好みのキャラクターを他人任せにするのが間違ってるのかもしれない。やっぱり他人は当てにできないのよ。こうなったら自分で書くしかないのかしら? 自分で書くしかないんだろうな。何年かかるかわかんないけど、いつか私の解釈でお江さんの物語を書きたい。言っても実現できるかはあやしいけど、でも言わなかったら絶対やらないので、ここで宣言しとこう。いつかきっと私の解釈でお江さんの物語を書いてやるー!

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コメント(6件)

内 容 ニックネーム/日時
こちらにもこんにちは

私は大河ドラマとはいえ恋愛やホームコメディ要素があっても
あまり不満はありませんが、今年は恋愛モノとしてみるのも
何だか中途半端で、コメディ要素もあざとい描写の連続でうんざり。
『ほら今のところ、笑えるでしょー?』という脚本家の声が
聞こえてきそうなものが多くなかったですか?(笑)

名だたる歴史上の人物も名前だけ借りてきた状態で
様々な出来事がナレーションでサラリとすまされることもあり
歴史に疎い人も詳しい人もワケ分からないまま。
やはりあまのかるもさんのおっしゃるように今年の江が
脚本家自身を投影した妄想キャラである事がマイナス要因です。
だから彼女と近い価値観の人はきっと楽しめていると思います。
でも私は素人の方でもいいので今年の江を書き直して欲しい!
浅井三姉妹を軸に乱世に翻弄されつつも生きてゆくおんな達、
それをとりまく大勢の戦国武将たちの駆け引きや思惑。
せっかくいい素材だったのに…本当にもったいない。
なのであまのかるもさんが書かれる”江”、読みたいです!

もったいない、といえば上野樹里さんという女優さんもです。
もちろん他の俳優さん、女優さんについても同意見ですが
脚本家が上野さんのイメージを取り違えていたんでしょう。
完全に彼女のいい面をなくしてしまってます。
ただ確かに彼女の演じた江はハチャメチャなキャラでしたが
他の方のように作品の出来と彼女をごちゃまぜにしてまで
彼女自身に向かって辛らつな言葉を投げかける気にはなれません。
正直時代劇のオファーは江のよくないイメージもあって
上野さんにはしばらくこないんじゃないかなと思いますが、
いつかよい作品にめぐり合えることを願うばかりです。

長文、乱文のコメントになってしまい失礼いたしました。
KAKA
2011/10/03 11:41
DVDを買うのに大変参考になりました、あと主様が逆にお勧めの大河ドラマがありましたらお教えください。私は4年ほど前の風林火山が好きです。
baoan
2011/10/03 15:29
こんばんわ。
私は『篤姫』で違和感を感じてしまったので、『江』はオリジナルだから脚本家のやりたい放題になるのを覚悟して見始めました。それでもきつかったです。
「江」での最初の違和感は、信長の危機を知らせるために小豆の袋を乳母が用意したのに、市が受け取らなかった場面です。政略結婚で嫁いで来たのに役割を放棄する覚悟のなさが、市を薄っぺらくしたように見えます。三姉妹の結婚もそうですが、純愛を絡めずにはいられないのがこの脚本家の性分なのでしょうね。
『乱紋』は私も読みました。茶々と初が江に優しくないところが、むしろリアルです。女らしくなった江に秀吉が目を留め、それに気づいた茶々がピリピリする場面が印象に残ってます。


さい
2011/10/07 23:22
KAKAさま
ここでもこんばんは。
私も物語の味付けにはそれほどこだわりはありません。面白ければなんでもOKです。
でも今回のドラマは…。もちろん歴史ものとしてはまるでだめですし、恋愛ものとしても萌えられず、コメディも気持ちよく笑えないものばかりでした。狙いが透けてみえるわりに、たいていは効果なかったですね。脚本家の声が聞こえてきそうってほんとにおっしゃるとおりです(笑)。
話の展開やキャラ設定、けっこう通説や既存イメージによりかかったものが多いですからね。歴史に疎い人にもわけがわからない部分はたしかにありました。私の家族の反応を見ても実感します。
人には好みがあるから楽しんで見ている人についてあまり言いたくはないですが、物語を流れではなく場面場面で楽しむタイプの人は多いのだろうと思います。
書き直してほしいというのは私も同感です。やりようによってはかなり面白い話になったと思うんですよね。ほんとうに残念です。
私の独り言もしっかり見ていただいてお恥ずかしいですが、江ファンとして感じた今回の悔しさを何か形にして表したい気持ちはあります。実現できるかはわかりませんが、その気持ちは持ち続けたいと思っております。
今回の大河に出演した役者さん全員が気の毒ではありますが、やはり主役の上野さんが1番気の毒です。全力で演じても「戦国時代の田渕久美子」では共感は得にくいでしょう…。私も、ある意味作品の出来の責任を上野さんに押し付けるような批判はできません。たしかにおっしゃるとおり時代劇出演の話はしばらく上野さんには回ってこないかもしれませんね。でもNHKには、ほとぼりがさめた頃、今回のお詫びとしてまともな時代劇に上野さんを出演させる義務があるんじゃないかと思ってます(笑)。
コメントの内容はどうか気になさらず。私も勝手気ままな感想を書いてますから。
あまのかるも
2011/10/09 01:49
baoanさま
はじめまして。
私はあまり大河ドラマを熱心に見ていたわけではないです。元々連ドラが苦手なたちなので。
お勧めと言うかちゃんと見たことがあって好きなのは、平安時代好きなので『炎立つ』、他の時代だと『太平記』ですね。平安時代好きとして個人的には『義経』も楽しんでましたが、話の筋が散漫な印象があるので人には勧めにくいです。
『風林火山』、私は途中まで見てましたが面白かったですね。脱落理由はつまらないからではないので、いつか続きを見たいです。
あまのかるも
2011/10/09 01:50
さいさま
こんばんは。
覚悟して見始めてもきつかったのですね。このドラマはほんとに破壊力十分なのですね。
小豆の袋の改変は、視聴当時は通説とは変えたいという意図と捉えて、どちらかというと好意的に見てましたが、たしかに当時の婚姻の意味を無視している改変ですね。脚本家の傾向を甘くみていた私が浅はかだったということなんでしょう…。
この脚本家の好きな純愛はとても現代的だと思います。戦国の世でも純愛はあるとは思いますが、基本的には祝言をあげてからの結婚生活で芽生えるもので、しかも家と家との結びつきを無視できないということを踏まえてくれないと見れたものではないと思います。
『乱紋』の姉妹の仲が険悪なところは小説として面白いですよね。ああいう負の感情も存在するのが人間であるということを印象深く描写していると思います。史料では浅井三姉妹が不仲という印象はほとんどないですが、フィクションとしてはありです。それに江に関する俗説を否定している見解は私も支持しているというか、江ファンとしての私の原点です。江については、私は永井路子さんの見解を信じています。
あまのかるも
2011/10/09 01:51

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