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zoom RSS 本の感想:『徳川家光』

<<   作成日時 : 2010/11/21 17:49   >>

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三冊目となります。最後です。

藤井讓治著『徳川家光』
吉川弘文館の人物叢書の内の一冊です。
この本を読んで、家光は後世美化されたほどには有能ではないけれど、三田村鳶魚
だったかな、誰かが言ったほど無能というわけでもないというのがわかりました。
病弱というのはつらいですねぇ。仕事が思うとおりにいかず大変そうです。

新たに知ったこともいくつかあります。

家光が誕生した後、お江は麻布の東福寺に本堂を建立して、家光の名で十二神将を
寄進したそうです。
その東福寺について調べましたが、明治になって廃寺となり、十二神将は別の寺に
置かれたそうですが、空襲で焼けてしまったそうで……。もー、アメリカほんとに
むかつく! ろくなことしないんだから。

毎月一日・十五日・二十八日は月次の礼という諸大名の礼を受ける儀式がある
そうですが、九月十五日はお江の忌日で増上寺へ参詣するため、月次の礼を
しなかったそうです。
毎年かどうかはわかりませんが、家光は母親の祥月命日にちゃんと増上寺へ
参詣していたようですね。

以下は、お江に関する通説を信じていない者の感想・疑問なんで、興味ない人は
飛ばしても大丈夫です。とても長いです。歴史知識に関しては素人なので、
もし見当違いな疑問や間違いがあったらご指摘いただけると嬉しいです。



・「忠長は、家光と異なり乳人を付けられず」
この本は平成九年に発行されてますけど、この時点で忠長の乳母についてまだ知られて
いなかったんでしょうか。乳母の夫で忠長付の家老の朝倉宣正については言及あるのに。
それとも昌清寺の伝承扱いなんでしょうか。
というか、ふつう乳母はいて当たり前のものなんじゃないですかね。名前が不詳でも。

・竹千代と国松が対等に扱われている
問題になるのは竹千代と国松の扱いが逆転した場合なのではないでしょうか。
世継ぎが正式決定するまでは、子供として対等に扱われてもおかしくないような。
 前田利長が「家光と忠長にも同額の金子五十枚」
 →同額なのは子供として一からげに扱われているのではないでしょうか
 忠長が能三番を勤める
 →能を人前でするのって厚遇になるんですか? 目上の人が見ている中で、
  芸を披露する人としない人がいる場合、する人のほうが目下で、しない人の
  ほうが目上なのでは。

・世子決定の時期
金地院崇伝の『本光国師日記』だけで十分考察できると思うけど。
後世の記録を参考に年代を推定しても、例えて言うなら『伊勢物語』の東下りは
いつ起きたか検討するようなものだと思う。

・寛永元年に家光は一時的に忠長の屋敷に住んでいる。
忠長は明け渡して別の屋敷に移ったのか、そのまま同居したのかよくわからないけど、
同居の場合喧嘩にならなかったんですかね。仲が悪いなら。

・鷹司孝子を家光の正室に選んだのがお江というのは史実なんですね。
『義演准后日記』に記されているそうです。息子の嫁選びに口を出す母親って
よくある話です。息子の嫁選びに熱心な母親が、息子を疎んじるとか無関心とか
ありうるんですかね。干渉しすぎて喧嘩とかはあるでしょうけど。
ちなみに忠長の正室ですけど、よく小説とかで、織田家が江の親戚だから選ばれた
みたいなことを言われますが、秀忠と信雄の娘小姫が結婚・離縁したことを踏まえて
その埋め合わせとして信雄の孫娘が選ばれたという話もありうると思います。

・加藤忠広の改易は迅速なのに、忠長の処分はとても時間かかってますね。
なぜなんでしょうね。過去のいきさつがあるなら、もっとさっさと処理しても
よさそうなもんですが。家光はかなり短気な人なのに。

・「東照大権現祝詞」には井上正就の横死を罰が当たったからと書いているそうです。
……井上正就って松平信綱の舅ですよね。それに井上家自体も譜代として続いています。
幕閣が巻き込まれた事件を、罰が当たったと書面に残せるもんなんですかね。
ずいぶん失礼な話だと思います。
この祝詞、伝春日局筆と言われています。そういう失礼なことを春日局なら
言いかねないというのでしょうか。研究者もそのように思っているのでしょうか。
でもなんかそういう考え嫌過ぎる。
平安時代ならともかく、近世初頭でそんな失礼なことをする奥女中なんていないと
思います。

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